2015年10月17日土曜日

サラリーマンのすごいとこ

就職してもうすぐ八ヶ月、この短い会社員生活のなかでたくさんの驚きがあった。サラリーマンというものに対する発見があった。その中で最大のものはこれである。

サラリーマンは、会社のことを自分のことのように考える。

これがもっとも意外であり、驚きだった。会社員なのだから、たしかに会社には属している。そこに身の置き所がある。けれど、私などからすれば、会社は会社、自分は自分。会社が傾こうが潰れようが、自分が死ぬわけではない。逆に、会社がえらく儲かろうが、そこまで給料が増えるわけでもない。なのに、他の社員たちの振る舞いはどうだろう。まるで会社のことを我がことのように感じ、考えているかのよう。

一月ほど前、あるアンケート結果が出た。いわゆる顧客満足度のような調査結果である。それが、私のところはだいぶよかった。他と比べてなかなか好成績だった。上司と先輩は「よかった」「やった」と喜んでいた。そうして結果の印刷されたプリントから目を上げ、私に尋ねた。「嬉しいですか」と。私は答えた。「ええ」と。

すると、上司と先輩はかわいた笑い声を発した。私の気のない返事に拍子抜けしたかのようだった。それもそのはず、私の「ええ」はイエスの意味からはほど遠く、内心の「どうでもいいっす」というメッセージが気の抜けた二文字ににじみ出ていたのだから。

どうも私は、会社のことを自分のことのようには思えない。会社の目標は会社のもので、私には私の目標がある。それは別個の存在だ。そんな意識が根本にある。もちろん経験の浅さというのも大きな要素。これがあと五年十年と経てば、意識も変わってくるだろう。けど、やはりそこまで組織にアイデンティティーを置くことはなさそうだ。そんな気がする。

会社が儲かったって、一部上場したって、私自身が儲かるわけでなし、有名になるでもなし、あまり関係がないという意識がベースにある。そんな私が傍目で見るに、組織の動向に一喜一憂できるサラリーマンというのはすごいものだと思う。ひょっとしたら、会社員としてまともにやっている人というのは、だいたいこの能力を持っているのかもしれない。それを社会性と呼ぶのかも。だとしたら私は……

どうも、社会不適合者です。

月末、会社辞めます。

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