2016年4月29日金曜日

塾講師の仕事内容:役職と給料

今回は仕事の内容というより、組織の構成について。

塾といっても個別指導の部門もあれば、英会話の部門もあったり、幼児教育をしているところもある。私の場合は中核である小中学生の集団授業を行う部門にいたため、そこの話を。

まずはヒラの塾講師がいる。これまで書いたような仕事を行う、普通の塾講師だ。ここで数年、はやい人ならば三年目くらいで校長になったりする。校長は、小さい校舎だと事務員を含め三人の部下をしたがえる管理職ということになる。何が校長の業務になるのかは校舎によっても若干違うだろうが、アルバイトの採用・時間割の作成などが加わる。私の塾の場合は、校長になっても授業の受け持ちが減るということはなかった。むしろ、私が担当を外されたコマに校長が入っていて実にたいへんそうであった。

校長の上となると、いくつかの校舎をまとめたブロックの長ということになる。これはどこかの校舎の校長が兼務することが多かった。ときどき各校舎をまわったり、研修のときにまとめ役になったりしていたが、特有の仕事内容というのはよく分からない。

その上は、都道府県単位の長、エリア長となる。ひとつの県の集客状況やクレームの発生についてメールが送られてくるのだが、これはエリア長が作成していた。通常、ヒラの塾講師はエリア長と机をならべて仕事をするということはないが、私の場合は、私が担当を外されたコマをエリア長が埋めていたため、日常的に接することとなった。

その上は、小中学生対象の部門を総括する部長ということになる。部長にまでなると普通、授業を受け持つことはあまりないようだが、私が担当を外された別の授業を部長が埋めていたため、毎週私の校舎で授業を行っていた。自分で言うのもなんだが、ペーペーの尻拭いもたいへんである。

さて、給料だが、中途入社一年目、契約社員の私で約22万円であった。ここから雇用保険・健康保険・所得税などが引かれ、そして残業代が付き、平均的な手取りが19万円といったところ。さほど高くもないが、低くもない。夏期講習で時間外手当がたくさんついて、マックスが24万円であった。

校長になるとその分の手当が出るらしいが、これはさしたる額ではなかったらしい。一応、校長になると管理職の扱いとなり、残業代は出ない。休日出勤でもほとんど出ない。夏期講習になると朝9時から夜10時までの勤務が毎日続いたりするのだが、私が通常の月より5万アップしたのに比べ、校長が「あれだけ働いたのに1万円しか違わない」とため息をついていた。

ちなみに、校長はパソコンと社内システムのパスワードを付箋に書いてデスクに貼っていたため、その給与明細を盗み見ることもできたのだが、万一閲覧履歴が残る仕様になっていたらいやだなと思って見なかった。どうせなら見ておけばよかったと思っている。

その上だが、エリア長はボロボロの軽自動車に乗っていたし、給料はさほど高くなかったと思う。高給取りになりたいなら、そもそも塾講師はだめである。入社当初、校長からはよく、ここにいてもたいして稼げないという話をされた。部長にまでなればある程度の収入があったかもしれないが、そもそも部長にまでなれるのは百人に一人とかなので、期待は持てない。

なかには、数年から十数年経験を積んで、独立する人もいる。私のいた塾のすぐ近くにも、個人で塾を立ち上げた人がいた。まだできて一年くらいだったはずだが、夏の終わりには「テナント募集」になっていた。あっさり潰れたのだ。もともと組織にいるあいだは優秀な講師だったに違いないが、そこを離れて自分でやっていくのは難しいのだろう。

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