2016年5月20日金曜日

老化について

ときどき加齢について考える。

現在、私は三十一歳だ。まだ若いといっていいだろう。しかし、中年とカテゴライズされる日はそう遠くない。

そこで思うのだが、老化というのはどの程度起こるのか。一般的に、二十代を過ぎると人間の身体能力、あるいは部分的には知力も、少しずつ低下していくものとされている。そういうふうに了解している人が多い。だが、それは本当なのか。

予想だが、知力に関してはおそらく、相当な高齢にならないと劣化しないと思う。十代のころと現在とで比べると、教養が増えた分、理解力や思考力は圧倒的に向上している。おそらくは、さらに今後も向上を続けるだろう。記憶力も然り。二十歳を過ぎるまでは、私は暗記をすることが何より苦手だったが、二十代を経てだいぶ改善された。

あるいはまた、大学の五十代、六十代の教授たちを見ていても、学生に比べて頭脳が劣化しているようには見受けられなかった。高齢になると知力がにぶるだとか吸収力が下がるだとかはおおむね嘘だろうと思っている。

身体能力についても、一般的に言われるほど、加齢はマイナスの影響を及ぼさないのではないか。適度な運動をし、肥満をするような自堕落な食生活を避けていれば、ほとんど若いときと同程度の身体能力は維持できそうな気がする。

ただ、二十代あたりが肉体のピークで、そのあとは下降していくばかりというイメージはある。ほとんどの人が、人体をそういうものだと思っている。おそらくその背景にあるのはスポーツ選手のキャリアだ。スポーツ選手は、はやければ十代で選手生活のピークを向かえ、二十代後半や三十代くらいで限界を迎えて引退する。実際、彼らの肉体のピークは若い時期にくる。ただし、スポーツ選手はきわめて特殊な身体の使い方をしている。肉体を酷使すれば、燃え尽きるのも早いのは道理である。普通の生活をしているだけのわれわれに、その例は当てはまらない。

端的に言えば、肉体や頭脳が老化することで劣化するというのは、ほとんど幻想だと思う。「歳だから……」と言ってため息をつき、能力の衰えを嘆くのは、多くの場合において勘違いであると思う。希望的観測と言われるかもしれないが、少なくとも、このくらいに了解しておいた方が先行きが明るいし、身体や知性の衰えもやわらぎそうな気がする。

そんなわけで、私は永遠に二十八歳に留まろうと思っている。

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