2017年5月11日木曜日

地殻変動

たびたび、大企業のリストラや希望退職者募集のニュースを目にする。つい今しがた、三越伊勢丹HDが今秋、希望退職者を募るというニュースがYahoo!ニュースにあった。

こういうニュースを目にすると、消費が実店舗からネット通販へと移動しているのを強く感じる。日本の消費全体が、街の小売店から、ネットへと大移動を起こしている。それは地殻変動のように、深いレベルで、大きく、地響きをさせながら起こっている。

百貨店、リサイクルショップ、家電量販店、書店、多くの店が苦境に立たされている。

一方で、ネット通販は花盛りだ。一部とはいえ、アフィリエイターは儲かっている。月収が100万に達しただの、200万に達しただの、はたまた1,000万だのと、どこの世界の話か分からない言葉が飛び交っている。

ニュースというのは不思議なものだ。これほどネットビジネス界隈が儲かっているというのに、その話題はほとんどテレビや新聞に出てこない。同じ現象の別の側面である、運送業の人手不足、あるいはAmazonの詐欺アカウントのようなものは報じるのに。

大手メディアはマイナスを報じるのが好きだ。

なぜかといえば、人間がそれを欲するからだろう。

人間は悪いニュースによって生かされている。ほとんど食事をするように、不幸なニュースを毎日「食べて」生きている。だからこそ、テレビや新聞はそれをせっせと供給してくれている。それは悪いことじゃない。

しかし、そこに気を取られていると、真実に気が付かない。気が付けなくなる。

私などはまだまだだけど、こうしてる今も、実力のあるアフィリエイターはせっせと消費を取り込んでいる。アフィリエイターだけじゃない。メーカーも、ASPも、SEO業者も、ネットビジネス関連の人々はモノとサービスを売りまくっている。

彼らが笑いながら月300万円を稼いだとき、月給30万円の会社員10人がどこかで職を失っている。

この地殻変動はものすごく大きなもののはずなのに、今一つ、実感が乏しい。みんなが口にするよりも、はるかに大きな変動が起こっていると思うのだけど。

これからたくさんの仕事が死に絶え、絶滅し、代わりに別の仕事がたくさん生まれてくるだろう。仕事というものの大変革が、いままさに起こっている。

そういう時代を経験できるというのは、幸せなことだ。